ヘリコバクター・ピロリ菌診断
ピロリ菌(ヘリコバクター・ピロリ)とは、
胃の粘液の中で生息する、らせん状の細菌です。
ピロリ菌(ヘリコバクター・ピロリ)は、胃潰瘍や十二指腸潰瘍などの病気の原因になります。 近年になって胃がんの発症にも大きく関係していることがわかってきました。 感染経路は、はっきりと解明されていませんが、幼少時期の、主に口を介した感染と考えられております。
なんと日本では約6,000万人がピロリ菌に感染しているとも言われており、中でも50代以降では保持者の割合が70%以上に達します。
ピロリ菌が及ぼす影響
胃では食物を消化するために強い酸(胃酸)が作られています。
以前は、この胃酸の中に細菌はいないと思われていました。
ところが、このピロリ菌は、強い胃酸の中で生きることができるのです。
ピロリ菌によって胃の粘液が減っていき、毒素で胃壁が傷ついたりします。
これにより胃に悪い影響を与えて、胃を傷つけたり、潰瘍を発生させたりします。
つまり、ピロリ菌さえ除菌してしまえば、胃の病気になる確率は大幅に下がるとされています。
ピロリ菌に感染していると
- 慢性胃炎や胃潰瘍、十二指腸潰瘍を誘発します。
- 胃がんになる確率が20倍以上に跳ね上がります。
- 胃MALTリンパ腫といった胃の病気にかかりやすくなります。
ピロリ菌の検査
当クリニックでは、ピロリ菌の診断には尿素呼気試験という検査をおすすめしています。
この検査は息を吹きこむだけという全く苦痛を伴わない検査です。
検査薬(錠剤)を水と一緒に飲む前と飲んだ後(20分後)に2回小さな袋を膨らませて、呼気を採取するだけです。
その袋を専用の装置(呼気中13CO2分析装置:POCone)に入れて、たった2分で“ピロリ菌感染”の有無を判定できます。
(検査時間は約22分)
ピロリ菌が発見された場合の治療
ピロリ菌の除菌治療は2種類の「抗菌薬」と「胃酸の分泌を抑える薬」合計3剤を
朝夕2回、7日間服用します。
除菌療法が終了した後、もう1度検査を実施してピロリ菌が除菌できたかどうかを確認します。
70~80%の方が除菌に成功します。除菌に失敗してしまったら二次除菌療法を行います。
二次除菌療法では80~90%の方が除菌に成功します。